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葛飾区とZenフォント

Category: プログラミング
Tags: フロントエンド

フォント界のユニクロ「Notoシリーズ」

Notoはユニクロのようなものだと勝手に思っている。ユニクロはオシャレであることを特に強制したりしない。生きていく上で服が必要な人にとって、高機能なモノを安く提供している。見た目について誰かがケチをつけることもない。

困ったら取り敢えずNotoを被せておけば間違いなく、他のものも要らない。No Tofuはコスパ最強なのだ。だが個性のようなものは出しにくい。

このブログで採用したフォント

今回はGoogle Fontsから英字系にNunito、日本語系にZen Kaku Gothic Antiqueを採用している。 Zenフォントファミリーは大平善道さんが作ったとあって、Zenは善から来ているのだろう。Google Fontsでは10種類ぐらい用意されていて、どれも美しい。

Nunitoは適当にフォントを調べていたら見つけた、これも美しいフォントだ。Zen Kaku Gothic Antiqueは英数字が窮屈なので、Nunitoを補助的に使うことにした。

Murecho(牟礼町)も候補の1つで、丸みがあって可愛らしく、Variable Fontsも魅力的だ。しかし、weightを上げていくとMurechoばかりが太っていってNunitoと太さが揃わなくなる事象に遭遇したため、採用を見送った。(400なら違和感なし)

「葛」の異体字

本題。最近ひょんなことから知り得たのだが、葛飾区の「葛」の下の部分は、公式には「ヒ」ではなく「ム」なのだそうだ。経緯などは葛飾区のホームページで丁寧に説明されている。

「葛」の字の不思議|葛飾区公式サイト

どちらかが正しい・間違っているといった話ではなく、古くから表記揺れが存在していて、それが後付けで統一する方向で整備されたということらしい。つまり旧字、新字の区分ではなく、同じ字に対して複数の表記が存在しているということになる。JIS2004系では「ムの葛」の方がプライマリーな表示になっているらしいのであった。

フォントの話に戻すと、Zenフォント系では「ムの葛」は表示できず、「ヒの葛」で表示されてしまうという問題に遭遇したのであった。HTMLの世界には異体字セレクタなるものがあるようなのでこれも試してみたが、うまくいかなかった。

日本語系の一覧で見ると、M PLUS系のフォントもダメそうだ。(Google Fonts)

ちなみにJavaScriptで確認してみたところ、「ムの葛」はlengthが1、「ヒの葛」はlengthが3で、どちらもコードポイントは一緒だった。 葛飾区にお住まいの方々は年賀状のフォント選びに悩んだりするのだろうか。